ウェブ進化論 (梅田望夫, 筑摩書房) 読書ノート
ウェブ社会
「知の世界の秩序」時間順
IT 産業界のチープ革命
ムーアの法則、40年間つづく
オープンソース
回線コストの大幅下落
誰でもが必要十分な IT 機能をコストなしで手に入れられる
無償検索ソフトウェア
知的権威が揺らぐ?
玉石混合問題が起こる
グーグルの民主主義
「知の世界の秩序」の再構成
インターネットの本質
不特定多数無限大の人々とのつながりをもつコストがほぼ0になったこと
ネット社会とリアル社会が生まれた
あちら側に作られた情報発電所
「知の世界の秩序」の再構成(トップダウン構造)
総表現社会が生まれた
誰でもが必要十分な IT 機能をコストなしで手に入れられるようになったから
IT 産業界のチープ革命
ムーアの法則、40年間
オープンソース
回線コストの大幅下落
メディア権威の喪失が起こるだろう
無償検索ソフトウェアが生まれた
知的権威が揺らぐ?
玉石混合問題が起こる
グーグルによるネット世界の民主主義
革命であることの真の意味
オープンソースと三大潮流
列挙
オープンソースの本質は,
知的資源が自発的に集まること
高いモチベーションのもとでは,分散的構造でも問題が解決されていく
若者の自信と行動原理を生み出した
次の10年の三大潮流はインターネットとチープ革命とオープンソース
従来のビジネスモデルでは扱えないこと
時の常識を変える力の芽
シリコンバレーのベンチャー intel, microsoft, apple, cisco, amazon, yahoo, google
ひとつ前の世代の原理原則が大きくなる時は、それを捨てる契機
過去にすてられた常識
パソコンのようなおもちゃが情報システムとして使えるわけがない
インターネットのような中央集権的な管理がないネットワークが情報ハイウェイであるはずがない
過激な小数意見
「ソースコードは知的財産」という原理原則にたいする「オープンソース」
ソースコードは知的財産であることを捨てる意味
マイクロソフトの物量作戦によるソフトウェアつぶしに対抗する新しい力
ネット世界の三大法則
神の視点からの世界理解
ネット業者は、顧客が何をしているのかの情報を収集できる
検索サービスは,Webサイトにある情報、何を知りたがっているのかがわかる
ネット上に作った人間の分身が金を稼いでくれる新しい経済圏
ネット上に経済圏の存在
Webサイトが稼いでくれる
(無限大)×(ほぼゼロ)=(いくらか)
一億人から3秒の労働を集めると一万人のフルタイム
なにものにも似ていないこと
ファインマンの量子力学
量子力学は物質と光の性質を詳細に記述し,とくに原始的なスケールに置ける現象を記述するものである.その大きさが非常に小さいものは,諸君が日常直接に経験するどのようなものにも全く似ていない.それらは波動のように振る舞うこともなく,また粒子のように振る舞うこともない.雲にも、球撞きの球にも,バネにつけたおもりにも,また諸君がこれまで見たことのある何ものにも似ていないのである.
この章では,その不可思議な性質の基本的な要素を,
そのもっとも奇妙な点をとらえて,真正面から直接,攻めることにする.
古典的な方法で説明することの不可能な,絶対に不可能な現象を選んで、
それを調べようというのである.そうすることにより,ずばり量子力学の確信にふれようというわけである.実際,それはミステリー以外の何ものでもない.
その考え方がうまくゆく理由を”説明する”ことにより,そのミステリーをなくしてしまうことはできない.ただ、その考えがどのようにうまくゆくかを述べるだけである.
これまでに見たことのある何ものにも似ていない
ニュートン力学からのアナロジーで理解しようとしてはいけないことを胆に命じる
シリコンバレー長老たちの知恵
新しい技術が社会にあたえる影響が大きすぎると
その本当の意味の理解には10年の試行錯誤が必要
過剰な期待と現実の間のギャップがバブルを生む
歴史は繰り返す
70年代から80年代の PC バブルが83年に崩壊
ブライアン・アーサーの技術革命史観
ブライアン・アーサー
複雑系経済学のパイオニア,サンタフェ研究所
五大革命
産業革命 1780~1830 英国
鉄道革命 1830~1880 英国
重工業分野 ドイツ
製造業革命 1913~1970 米国 大量生産,自動車産業の成立,石油の時代
情報革命 1960 米国,ARPANET, Intel chip, ...
革命的変化のパターン
turbulence 新しいものが出現し,世の中をかき回す
media attention メディアの注目
過剰投資
バブル崩壊
大規模な構築ステージ
IT革命では?
MS, Intel が登場した70~80年代がurbulence
1990年代がメディアの注目
2000年のバブル崩壊
2000~2030 大規模な構築ステージ?
産業革命よりも重要な転換(アーサーの結論)
21世紀の最初の20〜30年間に経済に深い変質が起こる
全てのものがつながってお互いに知的に交信しはじめ
経済の神経系ができはじめる
新しい産業が勃興する
技術は米国から世界へひろがる
情報革命は神経系
IT 革命から I 革命へ,それに気づいた Google
Google 知の世界を再編成する
僕のGoogleへの感想
Google は知的なことをやっているとは思わない
量的なことをやっている
量は質に転化するかも
アイディアはすごいと思わないが、実現するところがすごい
Googleを考える流れ
「世界中の情報を整理しつくす」というGoogleの構想と会社の質
あちら側に情報発電所を作ったこと
手作りな巨大コンピュータシステムの実現
アドワーズとアドセンス、富の再配分
独自の社内組織
どの企業とも似ていない
Googleの実現する民主主義
世界政府が開発しなければならないはずのシステム
Googleのミッション
世界中の情報を組織化し,それをあまねく誰からでもアクセスできるようにすること
これは世界政府があれば、それが目指すべきこと
Googleアースがその一端、衝撃をうけた
言語を意識せずにインターネットを使えるようにすることも
Web上での民主主義
10 things Google has found to be true
Democracy on the Web works
検索エンジンの仕事とは
全ての言語、全ての言葉の組合せに対して,もっとも適切な情報を対応させること
「最も適した情報」を定めるためのWeb上での民主主義。それはインターネットの意志のひとつである
現代社会とITの関係に対するふたつの見方
既存社会の枠組の中で使いこなす
ITによって始めて可能となる新しい仕組を是とし,社会側がそれに順応していくべき
Googleは後者の立場から、インターネットの意志を実現することを目指している
インターネットの「あちら側」の情報発電所
インターネットのこちら側とあちら側
こちら側は利用者 (クライアント)
さまざまなインターネット・インターフェイス機器の誕生
あちら側 (サーバ)
インターネットに浮かぶ巨大な情報発電所
付加価値を作るシステム
グローバルなサービス
昔のネットワーク・コンピュータ (NC)
あちら側の情報と処理を、こちら側で表示する
ネットワークの性能
情報を「こちら側」におくのか、「あちら側」に置くのか、IT産業構造の本質
IBMパソコン事業売買の意味
2004年: Googleの株式公開 (総額3兆円),IBMレノボ事業を
聯想集団への売却 (2000億円); こちら側からあちら側へ
付加価値はあちら側にシフトしていき、こちら側のものは日用品になる
電子メールはどちらに置くか
Gメール,... ユーザ一人に1Gの巨大スペースの無償提供 (あちら側)
こちら側からあちら側への情報移行
プログラムであれば、個人メールの検閲と改変は許される (by Google)
Googleの本質は新時代のコンピュータ・メーカ
情報発電所のシステム
巨大なサーバとネットワークシステムをインテルとマイクロソフトによらず、0から手作りした
価格性能比,信頼性と耐故障性,スケーラビリティ,に優れたと最新技術に基づくシステムの設計
手作りによる圧倒的なコスト削減
Googleとオープン・ソース
2003年: 数テラバイトのデータ,30億のウェブサイトのインデックス付け,毎秒数千リクエストをさばく検索エンジンは、1万台以上のLinuxサーバでできている
Googleは,まさに、チープ革命,インターネット,オープン・ソース
情報発電所構築における競争
マイクロソフトとヤフーとの競争
資金
人材
博士号をもつ最高の技術者が泥仕事を厭わず、自分で手を動かすGoogle
アドセンス
Googleが作る新しい経済圏
新しい冨の分配メカニズム
Googleの組織マネジメント
情報共有こそがスピードとパワーの源泉という思想
ベスト・アンド・ブライテスト主義
5000人が全ての情報を共有するイメージ
情報共有によって研ぎ澄まされるエリート舘野激しい競争
Yahoo と Google はどこが違うのか
ロングテールとWeb2.0t
longtail現象
longtail 現象とは
現実の本屋の在庫は13万位まで
長ーーーーい尻尾をもつ恐竜
日本で年間出版点数は7万、3年間の売上げ部数のグラフ
x軸を順位(5mmごと),y軸を本の売上げ部数(1000部で5mm)
体長10m(200万部)の 1Km (21万位,0部?)
デジタルコンテンツのネット流通において顕著に現れる
首派と尻尾派の対立
ことなるやり方
本の中身の検索、首派は反対、尻尾派は賛成.
ページ単位の販売
購入者はオンラインで本が読める
80:20 の法則
大組織の経営法則全体の上位20%から80%の利益を得る
longtailと反対の考え
Amazon.com
Amazon.comは全売上げの半分を13万位以降からあげている
Googleのlongtail
自由参加のアドセンスのlongtail 部はさらに長い
スモールビジネスと関心を持つ少数の利益がマッチング
mF247
配信ではなくて創造
アーティストとリスナーの出会いの場
アマゾン島からアマゾン経済圏へ
Amazon経済圏
ネットの向こう側に島を作り、住民を獲得すること
Amazonは自ら保有する膨大な商品データを公開し,
スモールビジネスを起こせるようにWebサービスとして提供
API利用に15%の手数料
API利用は検索結果順位の向上につながる
Web2.0・ウェブサービス・API公開
web2.0
Web2.0とは(筆者)
ネット上の不特定多数の人々や企業を
能動的な表現者と認め,
積極的に巻き込んでいくための
技術やサービス
サービス提供者が、自社の持つデータやサービスを公開し、新しいサービスを構築できる構造を用意すること
Web2.0 (eベイのピエール・オミディヤー)
皆が一緒に働いたり共有したり協同できる道具を行きわたらせる
人々は善だ、善が集まったものは善である、という信念
世界は変わるはずだ
ネットのあちら側からAPIを公開することの意味
実世界の情報を使って,実世界にあるものをコントロールできる
ネットでつながったものをひとつの巨大システムとみなし
それらが提供する各種サービスをアクセス可能にする
Google Map
GoogleMap の公開一週間後にはてなマップ
map.hatena.ne.jp
開発プロセス・コストを分散・共有 ([[s-:]])
Yahoo, 楽天はどうなのでしょう?
ブログと総表現社会
ブログとは何か
おもしろい人は100人に一人はいる
これまで情報発信をしてきた人がいかにわずかであったか
潜在的な情報発信者はいかに多いのか, 量が質に転化した
すごい人は結構いる
書けば誰かに届くはず
玉石混合問題の解決が書き手の意識を変える
検索エンジンの進歩と自動編集技術
記事固有のアドレスとRSS配信
大きく異なる日米ブログ文化
総表現社会の三層構造
メディアの権威はなぜブログを嫌悪するのか?
文章,写真、語り、音楽、絵画、映像、...個人表現行為の広がり
既存の表現者はメディア組織階層に属し、その頂点に立つ人
認められるためのステップ
組織に権威が生まれる
ブログは表現のプロの恐竜の首化を起こす
玉石混合が既存の権威側の主張
玉を捜し出せる技術ができ始めている
総表現社会の1000万人
不特定多数無限大、衆愚なのか信頼するのか
エリート対大衆という二層構造
エリート・総表現社会参加者・大衆
専門家によるスクリプトではなく、それを市民に伝えるスクリプトが必要
しかし、専門=権威、市民への啓蒙は、権力の構造、失敗した構図、ブログでなぞることはあまり意味がない
ある種の連携・連帯。社会合意形成がブログの本質?
小泉圧勝を解散時に誰が予想できたか?
筆者は、解散と同時にブログ空間の言説を読むことで予想した
玉石混合問題の解決と自動秩序形成
検索エンジンの能動性という限界
総表現社会=チープ革命×検索エンジン×自動秩序形成システム
チープ革命
ムーアの法則で進展していく
表現のための道具は無料で、表現者の母集団が増えていく
検索エンジン
深い興味を共有する書き手と詠み手が出会えるようになった
検索は能動的でなければならない、総表現社会層までしか影響が及んでいない
自動秩序形成システム
受動性におけるブレークスルーが求められている
待たれる自動秩序形成のブレークスルー
総表現社会のマルチメディア化にともなう大難問
検索エンジン×自動秩序形成システムでのもうひとつの難問
音楽、映像への対応
総表現社会で表現者は飯がくえるのか?
組織と個とブログ
信用創造装置・舞台装置としてのブログ
個人の公情報,相手への信頼,信頼関係を生み出す
組織にぞくする人は、個としての情報を流すことをきらう。必要もない。
雇用流動性がひくく、共同体に忠誠を尽くす時代は終わった
組織にいながら外を意識、ブログの役割が大きくなる
個にとっての大いなる知的成長の場でもある
知的生産の道具としてのブログ
ブログは究極の「知的生産の道具」かもしれない
知的生産の道具
時系列記載、限りなく書ける
カテゴリー分類とキーワード検索できる
インターネットへアクセスできれば情報が得られる
情報共有が可能
共同作業が可能
ユーザとの関係
シンプルであること
ユーザと道具が相補しあえる
ブログとの相補性
リンクだけでなく出典も転記、重要部分のコピペする
デジタル化されていなくても、出典の転記、引用をする
夢を実現させてくれた我がバーチャル実験室
オープンソース現象とマス・コラボレーション
オープンソース現象とその限界
不思議な魅力
60's Unix, アカデミアを中心とするソフトウェア開発
インターネット、Linux の大成功
知的リソースの自発的な結びつき
課題を共有し、解決していく
企業組織が万能ではなく、働き方も見直される
ソフトウェア世界を超えてオープンソース現象が起こる
マス・コラボレーション
個が力を発揮する場としての組織
オープンソースは、組織に属さずとも大きな達成ができることを示した。
背筋がゾクゾクするような興奮を味わった実例
発展途上国むけのコレラ対策の課題
関連分野の様々なプロたちが
数か月で低コスト訓練の不要なシステムを提案した
オープンソースが個にもたらす興奮、組織的では類をみないし、上質。
MITのオープン・コースウェア
知的資産を公開することで、世界中の知的リソースがその周辺に結びつく(のでは)
MITの授業料は年間4万ドルだが、高額授業料の価値は先生と学生、学生間のつながりにこそある。教材コンテンツは公開することで、世界全体の教育の質の向上、生活の向上をめざす。
最初は熱狂的指示を集めたが、現在はその勢いはない。
参加者全員が賛成というわけではなかったのだ。いろいろな立場で参加。
プロジェクト推進担当も大学官僚。狂気のような情熱は存在しなかった。
学習コミニティが必要という意見もある
教員の為の情報提供交換サイトになってしまっている
著作権問題が平行線をたどる理由
オープンソースを苦々しく思う人達がいる
プロのプログラマー
著作権所有の教授たち
Googleブックサーチも一種のオープンソース。積極的推進派はロングテール派。両派の対立。
ネット図書館の著作権侵害問題報道、米出版者協会のGoogleブックサーチ批判(他人の財産にただのり)。
検索は著作権に利する行為。検索に引っかからない情報は存在しないも同然。
著作権に鈍感な人達と敏感な人達の対立
従来の表現者 (contents).vs.
Goodleやブログの書き手 (contents の加工整理配信の事業化)
「狂気の継続」を阻むリアル社会のコスト構造の壁
リアル世界がかかわるオープンソースの問題点
既存社会の仕組との軋轢(著作権など)があること
リアル社会ではオープンソースのためにコストがかかること
BookCrossingの場合
仕組
本にステッカー(ID番号)を貼って公共空間に放置
IDに基づき情報を管理
リアル世界での本の共有をネットがサポート
めくじらを立てる人達はいない
ネットで信頼にたる百科事典はつくれるか
Wikipedia の達成
誰でも参加の百科辞典、コストゼロの空間で起きているオープンソース現象の一つ
ブリタニカ百科辞典の10倍以上の87万項目、200に及ぶ言語
メディア企業の幹部に見せる
「誰が何の資格で書いているのか?」
「間違いがあるから信用できない」
指摘された間違いを修正すると不快感を隠そうとしない
Wikipedia は信頼に足るのか
信頼に足らない
百科辞典には絶対に一つの間違いもあってはならない
百科事典の各項目はリアル世界で権威と認められたひとによって書かれなければならない
興味深い
不特定多数の知を集約し
清濁を併せ呑みながら真かを続け
世界の混沌を映す鏡
Web2.0 の不道徳 ニコラス・カー
理論的にWikipedia は「美しい」ものだ
もしWebが私達をより高い意識に導くものだと仮定すれば
なおのこと美しいものでなければならない
でも現実のWikipediaはそんなにいいものではない
たしかに役にはたつ
ある項目のことをちょっと知りたいと思うときには、よくお世話になる
でも書かれた事実を信頼はできない
しばしばひどい文章にもぶつかる
私はWikipediaを唯一の情報源として信頼しない。
学生が論文を書くときに情報源として使うことを私は薦めない
ある項目を示し
これはダメだというよりも最低と言った法がいい
そして不幸なことに、これはWikipediaの大半における品質の悪さを代表するものだ
この項目(集合知の成果)が数ヶ月でできたものではないということを覚えていてほしい
何千もの勤勉な貢献者たちによって5年以上もかけて行われた仕事なのだ。
そろそろ修吾うちとやらがいつ頃本当に姿を現すのかと訪う時期にきているのではないか
いつになったら偉大なWikipediaはよくなるの?
それとも「よい」という概念自信が古臭くて、Wikipediaのような新現象には当てはまらないのか
Web2.0の主唱者たちは、アマチュアを崇拝し、プロフェッショナルに不信を抱く
Wikipediaへの真の礼賛の背後にそういう思想がある
オープンソースやあまたの民主主義的な創造性発揮例への賛美の背後にそういう思想が見えるのだ
Wikipedia を巡る二つの実験
Wikipedia の研究
Wikipedia とブリタニカの正確性や信頼性は同程度という発表がある
IBM Watson研究所の信頼に関わる二つの実験
Wikipedia に審査はない、敷居が低く活性度があがる、信頼性が下がる
審査はないが、書き込みをウオッチして信頼性を担保するボランティアの存在(1000~2000)
ネット上の自浄作用
第一の実験
わざと誤りを書き込んだらちゃんと修正されるか、どのくらいのスピードか
重要な項目にたいして十三個誤りを書き込んだが、数時間のうちに見付けられ修正された
あまり注目されないマイナーな項目に紛れ込ませた誤りは、五日経過しても全く気づかれず修正もされなかった
そこそこの信頼性をコストゼロで進化を続ける百科辞典は good enough か?
第二の実験
編集能力、校閲能力、推敲能力
スペルミス、事実誤認に溢れた、Wikipedia に関する、709語の文章をアップ
勝手に修正し、雑誌の記事らしい文章に仕上げることを求めた
最初の24時間で224回、次の24時間で149回の編集、771語からなる記事となり、掲載された
Wisdom of Crowds
全体を意識せずに「個」の価値を集積
Linux/Wikipediaの場合
「全体」の場,「個」がボランティア的に参加し, 「全体」が発展していく仕組
本来,知的生産活動は全体をあまり意識しない.
個の知的生産活動を集積し,自動的に全体として価値を創出できないか
個人的活動をあちら側に活動を置き、オープンにする
全体と個が互いにうまく働きかけあえれば
自動秩序形成システムの可能性
ソーシャル・ブックマーク,フォークソノミー(三つの事例)
ソーシャル・ブックマーク
フォークソノミー = folk + taxonomy (分類学)
みんなで分類する
ソーシャル・ネットワーキング
人そのものを対象にする
会員制
ソーシャル・ブックマークと人々の評価という「全体」
「小さな世界」仮説
6次の隔たり
地球上の任意の二人は、六人以内の人間関係で必ず結ばれている
ソーシャル・ネットワーキング
巨大な人間関係マップを構築する過程とみることもできる
世界中の全ての人々が互いにどういう6,7人の知己関係の連鎖でつながっているか
ビジネス・モデルはまだ古いまま
トラフィック目当ての広告
巨大な人間マップ
入力は目的
出力は人のランキング
米大統領選結果を正確にあてた予想市場
市場メカニズムとは
無数の個が自分のためにおこなう行為を
全体として集約するもの
市場メカニズムを用いたネット上の未来予測
予測市場
市場メカニズム
不確実な将来事象の期待値を
現時点の価格に置き換える機能
市場の動向はものごとの将来をよくいいあてる
ありとあらゆる未来の重要テーマについてネット上で人工市場をつくればいいないか
実験経済学で30年以上の歴史を持つ
インターネットと合流し、脚光を浴びている
大統領選
結果に連動して価値が決定される仮想証券と市場
「正しい予測をする」というインセンティブを持つ参加者が取り引きする
アイオワ大学のアイオワ電子市場
「2004年米大統領選先物市場」2003.2.21 open〜2004.11
予測先物は,各候補の得票率がそのまま価格となる
取り引きの過程での仮想証券の価格は,その期待値
ブッシュ僅差勝利をかなり早い段階から正確に予測
「不特定多数は衆愚」で思考停止するな
Wisdom of Crowds, 「みんなの意見」は案外正しい, 角川、2006.1
適切な状況下では
人々の集団こそが、
世の中で最も優れた個人よりも
優れた判断を下すことがある
誰が正しく判断するのか?
優れた専門家がその任にあたるべしという常識
個が十分に分散し,多用性と独立性が担保されているとき、
無数の個の異見を集約すれば集団としての価値判断のほうがただしくなる可能性がある
ネット空間上の個はその前提条件を満たす
無数の個の異見を集約するシステムとは?
ネットが悪や汚濁や危険に満ちた世界だからという理由でネットを忌避するな
不特定多数の参加イコール衆愚と考えて思考停止するな
新しい事象をみきわめて、本質をみきわめろ
リンク
www—opesource.html
naotakeblog.com—open_source_eve.html
ocw.mit.edu
www.bookcrossing.com
en.wikipedia.com
www.roughtype.com
news.com.com
www.biz.uiowa.edu—iem
www
,
ウェブ進化は世代交代によって
インターネットがもたらした学習の高速道路と大渋滞
羽生さんの高速道路論
IT とネットの進化が将棋界にもたらした変化
将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたこと
高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起こっている
大渋滞の時代をどう生きるか
知の体系化の高速道路、従来の学問であれば本で行ってきたことを
オープンソースによるプログラム作りの高速道路
不特定多数無限大への信頼
十代の感動が産業秩序を覆す
ビルゲイツ コンピュータの私有に感動した世代
ラリーペイジとセルゲイブリン パソコンのむこうの無限性に感動した世代
マイクロソフトとグーグル
ネットスケープを叩きつぶす(こちらの世界の戦い)
グーグル買収の噂
創業者が一般株主と違う種類の議決権のつよい種類の株を持つことで敵対的買収を回避
あちら側の競争ルール、ゲイツの世代的限界
Webの進化と世代交替
こちら側からあちら側へ
不特定多数無限大を信頼できるか否か
こちら側で信頼できる派 Linux
あちら側で信頼しない派 ネット事業者ヤフージャパンや楽天
あちら側で信頼する派 Web2.0
あちら側で信頼ありなし派 Google
脱エスタブリッシュメントへの旅立ち